2012.12.21

アメリカ型鉄道模型・連載コラム『モデルライフ』 Vol.39

通称「JAMコンベンション」も今年の開催まで、あと2週間を切り、「事務局長さん」兼「出展者」は、公私共に大忙しです。

それでも事務局の準備に一定の目処が見えてきたので、まずホッとし始めているところです。一つの組織に10年も溜まった問題点を整理して、個人プレーからチーム・プレーに軌道を切り替える、ということで事務局長に志願しましたが、ようやく風通しのよい運営になってきたようです。一方会員も順調に増えていますので、来年からもっと活発で面白いJAMになるのではないでしょうか?

『LB4』の校正も終わって、自分の出品作品に、会期を目前に最後の追込みです。

今年は『LB4』に載せるべく「大門通り」の照明工事に一ヶ月以上使ってしまい、それが結局ページ数の関係で『LB5』に持ち越し(その分『LB5』は早く出来ますが)になった、という無駄をやってしまったので、「JAMコンベンション」出品作品については完全に作戦ミスでした。しかし、レイアウト仕事ばかりは、「乗った時」に一気にやらないと、そのタイミングを外すと、またいつまでもぐずぐず時間が経ってしまいますから、まあ、「大門通り」が完成した分、仕方がないでしょう。

(上半期の決算?としては「アスペン砂利会社の小さな機関庫完成」「プロスペクターズ・クリークの川とクレメンタイン支線の接続、クレメンタイン村入り口の制作と小学校再建」「大門通りの照明完成」「米山鉄道美穂登駅構内のシーナリー、ストラクチャー完成」、本2冊完成させながら、これだけやりましたから、自分としては悪いペースではないとは思いますが‥)

今年のJAM出品用新作では、以前着工時にお目に掛けた130フィートターンテーブルを何とか間に合わせて、子供たちに「世界最大の蒸気機関車の転向」を体験させ頼ろうと思っています。といっても、只だだっ広いだけのスペースというのは、バラストとアース・マテリアル撒きに却って手間を食うもので、そこをひたすら愚直にやるしかない。

『LB4』の原稿書きの合間に少しずつやってきて、ようやくレールがスパイクできる状態になりました。週中、サンドペーパーを巻きつけたブロックで余分なバラストを落としながら枕木の高さも整え、準備は万端。

レイアウト製作って、どんな部分でも、必ずどこかに「愚直にやるしかない!」という作業が入りますね。これを何とか避けて通ろう、と考えるのは結局「下手な考え、休むに似たり」です。D&GRNの場合、それを悟るまで「休み過ぎた!」と反省しています。

「手を動かさないかぎり、いくら考え、眺めていても、レイアウトは勝手に生えてくるわけではない」どうやったら簡単に作れるか、なんて考えても無駄ですね。「ひたすら造るのが一番早い」

それにしても、中学2年の時に実家の屋根裏レイアウトでレールのハンドレイドに初めて挑戦して以来、これでもうどのくらいのスパイクを打ったことでしょうか?われながら、よく飽きないものだ、とも思いますが、さりとて、この「一歩一歩目標地点に迫っていく快感」に比べますと、フレキシブル・レールで一気にパタッとやってしまうのは、私自身にはどうも味気なく、物足りません。

また、この、レールを敷かれるのを待っている枕木の列の風情、というのが、何ともいえず佳いのです。

小学生の折にTMS別冊の『レイアウトガイド』でしたか。『レイアウトブック』でしたか、初めてジョン・アレンの「G&D鉄道」を見たときに、新レイアウトの紹介として、「バラストは撒かれてレールが敷かれるのを待つ枕木の列」に、「これこそが鉄道を敷く夢だ」と感じてから、「ジョン・アレンのようにやりたい」が続いています。

いつもは枕木の肩の残り方で左右を見ながら、いきなりスパイクでレールを止めていますが、今回はターンテーブルとの合致がたくさんの箇所に及びますので、ケーディーの三点ゲージで押さえながら、瞬間接着剤と固着補助剤「アルテコ」スプレーで、レールを仮止めしておいてスパイクを打つ、という方法を採っています。

本線のような長い延長でこれをやりますと季節による温度変化でのレールの伸縮に接着剤がどう対応するか、経験値を持ちませんので、普段はやっていませんが、そのテスト・ベッドも兼ねています。万一不具合出ても、この程度の長さなら、やり直すのは難儀ではありませんから‥

やってみて、作業スピードは瞬間接着剤の仮固定、してもしなくても、作業時間のトータルはさほどに変わりはありませんね。私のスパイク速度は線路両側で、アヴェレージ1時間90cmですから、今夜の所要時間で敷いた長さ割ってみると、やはり、そんなものです。

1本敷いては、眺めて悦にいる。このまったりとした時間。夜明けのコーヒーが美味い!

会期までの残り日数を考えれば、そんな悠長も言っていられないのですが、私のコーナーではお客さんに、まったりした気分を味わっていただきたいので、そのためには気ぜわしく作ってはならないでしょう。気ぜわしく造ったものは、どうしても、その気ぜわしさが出てしまいます。だから「造る」って、面白い。

目算では今夜か明日中には敷き終わりそうですが‥