鉄道模型レイアウト「D&GRN鉄道」のコンセプト
わが「D&GRN鉄道」正式には「デンヴァー・アンド・グリーン・リヴァー・ノーザン鉄道」は私道を除く敷地一杯の地下に34年前から延々造り続けてきたHOスケール(1/87縮尺)のレイアウトです。レイアウト・ルームの面積は27坪、54畳のワンルームでサイズはおよそ12mx7.5m。独りで造るには、いささか大きすぎる面積で、それゆえに着工以来34年経っても、まだ道半ば。生きているうちに完成を見るかどうかも覚束ないのですが、「生涯レイアウトを造り続けていたい」というのが私の人生のテーマですから、それでいいのです。
舞台の設定は「コロラド州の州都、デンヴァーとニュー・メキシコ州のサンタ・フェからロッキー山脈を縦走して、ワイオミング州に入り、イエローストン国立公園の南端に至るルートで、その途中の山中にあるおとぎの街、ハッドレイヴィルとその周辺の山中」。
走っている列車は1940年代から50年代に実在したものが中心ですが、時代設定は「現代」です。ハワード・ヒューズとカーネギーを合わせたような大富豪一家が三代にわたる鉄道マニアで、全米の鉄道から消えていく蒸気機関車や同時代の各種車輛を買い集め、永年砂漠の秘密基地に秘蔵していたのを観光鉄道に復活して走らせ、沿線の住民にも’49’、50年代の米国の日常生活を保存させている、という想定で、映画のロケ地にも使える生きた博物館、というストーリーです。路線の途中は土地に太古から暮らすインディアンの居留地を抜けており、その部分は彼らが運営する“ココペリ・サウスウエスタン鉄道”が管理して、通行料を取っていることにしています。
私は一方で「恐竜」が大好きですが、「一時は大地を席捲しながら、あっという間に絶滅した」という「蒸気機関車」の運命には「恐竜」に通ずるものを感じています。「D&GRN鉄道」は、いわば「蒸気機関車という恐竜のジュラシック・パーク」なのです。しかし、この鉄道は現役の一般鉄道会社の列車の通行にも線路を提供しているので、時折、アムトラックをはじめ、当節の列車も通過していくのを見ることもあります。